本心じゃないことは書かない

本心じゃないことは書かない。
嘘を書いてはいけない。
ライターがそれをやってしまうと、書くときの言葉が腐っていく。

 

今日の編集ライター講座で、一番響いた講師の言葉だ。
言葉って、腐るんだ・・・。
すごくインパクトのある表現だったし、ゲーム作家さんという創作の世界にいる人から発せられたことにも驚いた。

例えば、「皆さん、お元気ですか?」というような挨拶も、本心で思っていなければ書かないほうがいいと言う。
どんなきれいな言葉も、思いやりのある言葉も、そこに心が介在しなければ鮮度は保たれない。
言葉は形をまとった動力であり、生き物なのだと気づいた。

一流の人たちと接すると、小手先の技術なんて存在しないことを思い知らされる。

よくある質疑応答。
(生徒)よい企画を考えるためにはどうしたらいいですか?

(講師)⇒考え続ける。いろんな方向からたくさん案を出す。
(生徒)文章が上手くなるにはどうしたらいいですか?
(講師)⇒たくさん書く。上手いと思う人の文章をまずは真似る。

筋トレの方法は教えられても、講師の筋肉を分けてもらうことはできない。
書くスキルは筋力。書いて書いて書き抜いて、自分の身体の一部にしていくしかないのだ。
やったことがすべて形になるわけではないが、身に付いていないことは決して表現できない。
そんな正直な世界にいることに、心地良さを感じる。
締切を追う毎日はしんどいし、お金より時間をください!って叫びたくなるし、1文字間違ってもクレームになるし、愚痴を言い出せばきりがないけれど、やっぱりライターの仕事はおもしろいと思う。
これが私の本心です。