民話の里・遠野

故郷、岩手の夏休み。
数年ぶりに、23歳と21歳の娘も一緒に過ごすことができた。
せっかくの機会だからどこかに行こうと、実家の盛岡から車で1時間半ほどの遠野を訪れた。
遠野は深い緑に囲まれたの民話の里。
民俗学者・柳田國男の『遠野物語』で知られ、カッパや座敷わらしにまつわる言い伝えが多く残っている。
「伝承園」で語り部の昔話を聞いていると、現実と夢、今と昔が一つに溶け合うような心地よさを感じた。
不思議でちょっと怖いところもあるけど、ほっこり和む語りだった。
カッパはいたづら好きだが、悪いことはしないという。
座敷わらしは、家に住みついて夜中にいたづらをする子どもの妖怪。
大人には姿が見えないが、座敷わらしがいる家は繫栄し、去ってしまうと没落するといわれる。
愛されキャラのかわいい妖怪たちだ。
カッパ淵には、今もカッパがすんでいるらしい。
子どもたちが小さいとき、キュウリをつけた釣り竿でカッパ釣りをしたなぁ。

名物のジンギスカンでお腹を満たした後は、ずっと行きたかった「こども本の森 遠野」へ。
建築家の安藤忠雄さんの設計で、築120年の古民家を改築した図書館だ。
これが期待以上にワクワクする空間で、すっかりお尻に根が生えてしまった。
懐かしい絵本やレアな漫画もそろっていて、大人も十分に満たされる。
ここでは「まよいが」の絵本を読んだ。
迷い家(まよいが)は、訪れた人に富をもたらすという山中の幻の家。
『遠野物語』で伝えられる話を、京極夏彦が書き上げている。
お化けがいっぱい出てくるのに、どこかユーモラスで、幸せを感じる不思議なストーリー。
もっともっと読みたい本があって…
ここはまた、ゆっくり時間を取って来たい。
遠野郷八幡宮は、凛々しく清々しい神社。予定になかったけど、立ち寄って良かった!
この土地は神様に愛され、守られていると感じる場所だった。
みんなでお参りをして、帰途についた。
どんどはれ。