平成筑豊鉄道「ことこと列車」

筑豊の長閑な景色を眺めながら、ゆ~っくり走る「ことこと列車」に乗ってきた。
直方から行橋まで3時間20分、時速15~40㎞。「世界一ゆっくり走る列車」といわれている。

「ことこと列車」の楽しみは、意匠が施された贅沢な車内と、何といっても豪華なお食事!
車両デザインは「ななつ星」や「或る列車」を手がけた水戸岡鋭治氏によるもので、ステンドグラスや大川組子がふんだんに使われている。 乗った途端、うわ~っと気分が上がる車内だ。

 

食事は、博多「Goh」福山剛シェフ監修のフレンチコース。
地域の食材をふんだんに使い、工夫を凝らしたメニューばかり。
緑のリゾットとぽってりした黒いソースは、筑豊のぼた山をイメージしているという。
見て楽しく、食べて美味しいお料理が次から次へ出てきて、お腹いっぱいになった。
久しぶりに帰省した長女と、昼間からビールを飲みながら語り合い、豊か~な気分に。
スタッフの方のもてなしも温かくて、心地よく過ごせた。

 

 

「ことこと列車」に乗ろうと思ったのは、部品設計や改造工事を手掛けた九州艤装さん(小倉南区)を取材したことがきっかけだ。
水戸岡氏のデザインをもとに、九州艤装が詳細の設計図を作成し、社員の職人さんたちが一つひとつ丁寧に手づくりしている。
寄木のような床板は、2万枚以上のパーツを一枚ずつ手作業で貼り付けたとか。
量産できないオーダーメイドのものづくり。膨大かつ緻密な仕事に圧倒され、心から感動した。

これだけの技術力を持つ会社はないそうで、今や全国各地の観光列車や客船などの艤装にひっぱりだこ。北から南まで飛び回って活躍されている。

移動のための交通手段ではなく、のんびりゆったり列車そのものを楽しむ贅沢な時間。
心もお腹も、たっぷり満たされた一日となった。

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