家族を巡る旅(1)

美しい桜の花に迎えられ、久しぶりに故郷(岩手県盛岡市)へ。
九州はすっかり若葉の季節だが、東北の桜は満開だった。

4月からやっと空路が使えるようになり、母のSOSに応えるべく帰省した。
アスペルガーの弟がうつ病を発症し、再就職がなかなか決まらず、本人も手詰まり状態だと言う。
新型コロナの影響もある。
いろいろと複雑な状況は、プライバシーの関係で割愛。
かなりひどい状態だったが、1本の電話をきっかけに、弟の就職活動は次のステップにつながった。

世の中、情報はあふれている。
電話やメールで問い合わせることもできる。
しかも、日本語で通じるのだ。
WEBで見つけた福祉事業所が気になり、問い合わせてみたら、とんとん拍子につながった。
対応してくださった人たちは、皆さん誠実で熱意がある方ばかりで、本当にありがたかった。

まずは一つ行動する。一歩踏み出す。
つながるときはつながるし、縁がなければつながらない。
勘を信じて、誠意を尽くして、できることをやってみる。
遠い先が見えなくても、見えている一歩先にまず進む。
そうすると、また次の一歩が見えてくる。

シンプルなことだが、弟の場合はどうしても思考と行動が複雑になる。
過去のトラウマと、未来の心配に飲み込まれ、今がゆがんでしまう。
想像の世界から繰り出される言葉は堂々巡りで、埒が明かない。
頑固な反面、周囲の影響を受けやすく、気分ひとつで別人のように変わってしまうのだ。

就活の次のステップが見えたことで、あんなに動けなかった弟が、外に出られるようになった。
少しずつ前へ。
健闘を祈る!