「ブックライター」という仕事

常々、ライターというのは代筆業だと思っている。
社長や院長の取材をしてメッセージを書いたり、●●会社の広報になりきって仕事の紹介をしたり。
誰に何を伝えるのか、ゴールに向かって素材を得るための取材を行い、情報が足りなければさらに引き出し、自分でもいろいろ調べ、所定の文字数と期日に合わせて文章を作成する毎日だ。

世の中に出ている多くの書籍も、著者に代わってライターが書いている。
もちろん、小説などの創作系は違うが、実用書や有名人の本はライターを入れることが珍しくない。
長年、ゴーストライターといわれてきたが、今では上阪徹さんが名付けたブックライターという呼び方が主流になった。
上阪さんは何百冊もの執筆実績があり、最近ではWBC優勝の栗山英樹監督の著書『信じ切る力』も担当されている。

文章の素材は、あくまでも著者の経験やノウハウ、想いだ。
それを丁寧な取材で引き出し、コンテンツを組み立て、何万字もの文章にまとめていく。
ブックライターは構成や文章の技術を提供しているだけで、内容を創作することは一切ない。
インタビューによって、著者の考えを整理し、魅力を引き出す役目もある。
ライターが書いた文章は、著者や編集者が確認し、何度も校正を重ねて出版される。

ブックライターが入るメリットは、著者の能力を最大限に活かせること。
文章を書き慣れない著者が表現に悩んだり、時間を取られて本業に支障をきたしたりすることもない。
すべてライターが書かなくても、著者の文章をリライトしたり、途中から引き継いで完成させたりするケースもある。

出版社にとっては質の高い原稿が早く仕上がり、ライターは技術を生かして仕事ができる。
読者にとっては、読みやすくわかりやすい内容になる。合理的でみんながハッピーなシステムなのだ。

北九州では自費出版のニーズがあり、私も小冊子や電子書籍などを依頼されることがしばしばある。
とても楽しくてやりがいある仕事だが、時間とパワーがかかるので悩ましい面もあった。

昨年末、女性起業家の小冊子を制作し、ゆくゆくは本を出したいという希望を聞いて、ついに決心した。
今年3月、「上阪徹のブックライター塾」に入塾。
よりによって忙しい年度末で、課題の提出にあたふたしながら、何とかクリアしている状況だ(汗)

文章の素晴らしさも難しさも怖さも知っているからこそ、私たちライターは媒介になれる・・・はず!
「挑戦者たちの熱い物語を、九州から発信したい!」
これがブックライター・神田優紀のキャッチコピーだ。
本作りのノウハウを学んでライティングの質と効率を上げ、魅力あるコンテンツを発信するサポートをしていきたい。